京都弓矢町弓箭閣の鎧兜デジタルアーカイブ


弓矢町は京都市内にある町の一つです。弓矢町には、先代から受け継いできた町有の「弓箭閣」という町会所があり、「土蔵」が併設されています。その土蔵の中に先代の方々が祭りなどで使用した品物(鎧兜、弓矢、太刀、幟、陣幕など)や古文書類が多く保存されています。江戸時代、弓矢町には八坂神社に奉仕する人々が住んでおり、祇園祭に法師姿や甲冑姿の武者が、神輿行列に参加していた経緯がある。
明治になり、弓矢町では鎧兜などを個人所有する町民が多く、その武具を身に着けて祇園祭に武者行列を実現するため、「行列式目」(行列に参列するための町内会の取り決め)を制定しました。明治5年に鎧兜姿の30人の町民が参加し、第1回目の武者行列を始め、その後も毎年行列を継続したことなど、多くの記録が土蔵内の古文書に残されています。
そして、明治から昭和の長い年月にわたって甲冑姿の武者行列を重ねていくうちに、鎧兜の損傷も大きく、そのため30領以上あった鎧兜が14領に激減し、修理費が増大したため、昭和49年を最後に祇園祭の武者行列は中止となりました。
行列が中止となった翌年の昭和50年から、現存の14領の鎧兜を祇園祭神幸祭に合わせて、毎年2日間(7月16日,17日)、町会所の「弓箭閣」と町内の当番の各家で、虫干しを兼ねて飾る「武具飾り」を行っています。


著作権:弓箭閣 作成者:山本周作